北海道立近代美術館

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国宝「鳥獣戯画」北海道初公開

京都 高山寺展

―明恵上人と文化財の伝承

国宝「鳥獣戯画 甲巻」(第17、18紙部分)平安時代・12世紀、京都・高山寺蔵、展示期間:7月17日~7月28日

京都・高山寺(こうさんじ​​)​​​の中興開祖、明恵上人(みょうえしょうにん)。その生涯と教えをたどりつつ、同寺が伝承してきた国宝「鳥獣戯画」をはじめとする優れた絵画や彫刻、工芸、典籍文書等により、現代まで続く高山寺の歩みをご紹介します。

※会期中展示替えがあります。詳細は下記をご覧ください。
2024.07.09(火) - 2024.09.01(日)

概要

京都の高山寺には、中興開祖・明恵上人(1173〜1232)にまつわる文化財が数多く伝わっています。12,000点にもおよぶ典籍文書、仏画を中心とする多種多様な絵画、優れた仏師たちが手掛けた彫刻、明恵が生きた時代の息吹を感じさせる工芸品や建築など、驚くべき質と量を誇ります。本展では、明恵の生涯とその教えをたどりつつ、最も親しまれている国宝「鳥獣戯画」をはじめとする高山寺の貴重な文化財の数々を紹介するとともに、それらの伝承を担ってきた高山寺という希有な寺院の実像に迫ります。

明恵と高山寺

紀伊国在田(現在の和歌山県有田郡)に生まれ、幼くして仏の道に進んだ明恵は、建永元年(1206)に後鳥羽院から栂尾(とがのお)の地を賜り、高山寺を再興しました。
ひたむきに修行に打ち込み率先して範を示した明恵は、多くの弟子に慕われ、皇族や武家の要人からも支持を集めました。それとともに膨大な数の経典や絵画、彫刻等の宝物が高山寺に集まったのです。
また明恵は日本で初めて茶園を開いた人物としても知られており、高山寺境内の茶園は「日本最古の茶園」と呼ばれています。平成6年(1994)には明恵時代の唯一の遺構・石水院をはじめとする高山寺の寺域全体が、世界文化遺産に登録されました。

近現代の高山寺をめぐる人々

高山寺に息づく明恵の精神は、時代を問わず様々な人々を惹きつけてきました。明治期の住職・土宜法龍(どぎほうりゅう)との往復書簡により思索を深めた南方熊楠(みなかたくまぐす)、明恵の「茶恩」に報いようと高山寺に茶室と茶道具を寄進した近代数寄者たち、明恵の和歌を度々揮毫した川端康成、10年近くの歳月をかけて明恵への思いを綴った白州正子、独自の視線で高山寺の細部を写した土門拳…。本展では近現代の文化人たちが明恵や高山寺に向けた思慕や憧憬の様子を紹介します。また、永年にわたって高山寺の典籍文書を網羅的に調査研究している高山寺典籍文書綜合調査団の歴史を紹介します。

国宝「明恵上人像(樹上坐禅像)」鎌倉時代・13世紀、京都・高山寺蔵、展示期間:8月6日~9月1日
国宝「明恵上人像(樹上坐禅像)」鎌倉時代・13世紀、京都・高山寺蔵、展示期間:8月6日~9月1日

展示替えスケジュール

「鳥獣戯画以外」の一部作品(典籍文書・絵画)

前期と後期の2期に分けて展示します。
前期=7月9日~8月4日 後期=8月6日~9月1日

「鳥獣戯画」

全4巻を3期に分けて展示し、各巻とも途中で場面替えを行います。
甲巻:前半=7月9日~7月15日 後半=7月17日~7月28日
乙巻:前半=7月30日~8月4日 後半=8月6日~8月18日
丙巻および丁巻:前半=8月20日~8月25日 後半=8月27日~9月1日

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主催

北海道立近代美術館、高山寺、北海道新聞社、HTB北海道テレビ、NHK札幌放送局

特別協力

京都国立博物館

観覧料

一般:1,900(1,600)円、高大生:1,200(900)円、中学生700(600)円、小学生以下無料(要保護者同伴)
鳥獣戯画3期セット券:4,200円(高山寺御朱印、図録割引券付き)※販売は7月8日(月)まで(当館では6月16日[日]」まで)。詳細は下記をご覧ください。
*( )内は以下の割引料金です。
・前売料金
・10名以上の団体料金
・リピーター割引料金(当館または他の道立美術館・芸術館で開催した特別展の観覧半券をご提示の場合。1枚につきお一人様1回限り有効。有効期限は半券に記載。)

※観覧料の一部を、2018年台風被災からの復興資金として高山寺に寄進します。

近美コレクションとの共通券
一般:2,200円 高大生:1,250円(当日券のみ)

無料になる方
小学生以下(要保護者同伴)、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(ミライロID利用可)及びその介護者(1名)など。受付で手帳等をご提示ください。

※開催およびチケットの販売については、状況により変更になる場合があります。

前売り限定!!特典つき!4巻観たい方必見!! 「鳥獣戯画」3期セット券 

一般 4,200円

「鳥獣戯画」甲巻、乙巻、丙・丁巻それぞれの展示期間に1度ずつ入場できる前売券。
本展限定の高山寺御朱印をもれなく差し上げます。
また、半券の提示により、本展図録を割引価格でお買い求めいただけます。

※御朱印は会場でお引き換えください。
※高大生以下も同料金となります。

販売は7月8日(月)まで(北海道立近代美術館では6月16日(日)まで)。

高山寺御朱印
高山寺御朱印

前売券販売所(7月8日まで)

  • 北海道立近代美術館(6月16日まで)
  • 道新プレイガイド ローソンチケット(Lコード:12481)
  • セブンチケット(セブンコード:104-778)
  • チケットぴあ(Pコード:686-873)
  • セイコーマート店内マルチコピー機(セコマコード:D24070901)

※7月9日(火)以降、北海道立近代美術館、展覧会公式ホームページほかで当日券を販売します。

関連事業

各講演会は事前申込制・要観覧券です。

申込みは下記リンクのフォームより受付けます。
申込〆切:2024年6月14日(金)
通知:応募多数の場合は、抽選のうえご当選の方のみメールを送ります。
※ご参加の際は、当選メール画面と本展観覧券をご提示ください。

講演会

「明恵上人と文化財の伝承」
日時:7月9日(火)10:30〜(約90分)
会場:当館講堂
講師:石塚晴通氏(北海道大学名誉教授・東洋文庫研究員・高山寺典籍文書綜合調査団代表・高山寺責任役員)

「高山寺の仏画から見える、明恵が憧れた仏教の本場・中国 ―明恵上人樹上坐禅像を中心に―」
日時:7月15日(月・祝)14:00〜(約90分)
会場:当館講堂
講師:大原嘉豊氏(京都国立博物館学芸部教育室長)

「国宝・鳥獣戯画 入門」
日時:7月28日(日)14:00〜(約90分)
会場:当館講堂
講師:土屋貴裕氏(東京国立博物館学芸研究部調査研究課絵画・彫刻室長)

「鳥獣戯画における線の表現 ―乙巻・丙巻・丁巻の魅力―」
日時:8月18日(日)14:00〜(約90分)
会場:当館講堂
講師:井並林太郎氏(京都国立博物館学芸部企画室主任研究員)

学芸員による見どころ解説

日時:8月4日(日)、12日(月・祝)、25日(日)、9月1日(日)各日14:00〜(約30分)
※事前申込み不要

作品紹介