北海道立近代美術館

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【特別展】札幌国際芸術祭2024

SIAF2024

宮田彩加《MRI SM 20110908》2016年~、作家蔵 撮影:守屋友樹

3年に1度の札幌国際芸術祭、今回のテーマは"LAST SNOW"です。当館会場では「フラジャイル(こわれやすい、取扱注意)」をキーワードに据え​、現在活躍中のアーティストたちと当館のコレクションを交えながら、1924年から現在までのアートに焦点を当てます。
2024.01.20(土) - 2024.02.25(日)

概要

北海道立近代美術館は、札幌国際芸術祭SIAF2024の一会場として、1924年から2024年現在までのアートに焦点を当てた特別展を開催します。

SIAF2024のテーマ“LAST SNOW”には、人間の活動に起因する今日の自然環境の激変に対し、人や社会がどう向き合い、未来を開いていくかという問いかけが込められています。危機感と希望の両面をもつヤヌスのようなこの問いに答えるため、本展では100年の歴史のなかにヒントを探りました。

展示内容は、1924年に起こったいくつかの美術活動を起点とします。それらに示された、あるいは秘められた発見、思想、社会や他者との関係、感覚の覚醒、造形のロジック等の諸価値を、「ひろがる」「ゆだねる」「シンプルに」「つながる」という四つの言葉にまとめました。そしてそれぞれが継承、発掘、変容を通して多彩に展開されていく様子を、飛躍を交えながら、当館コレクションと現代のアーティストたちの作品によって紹介します。

社会がアートに提供した、あるいはアートが社会に提供したこうした諸価値の特質を、本展では“FRAGILE”(フラジャイル)という言葉で表しました。FRAGILEは、海外から美術作品が送られてくるとき、運搬者や受け取る美術館への注意喚起として梱包箱(クレート)に印字される英語であり、「こわれもの」「取扱注意」を意味します。もろい、きずつきやすい、だが注意すれば取り扱うことができる。アートは物理的にフラジャイルなばかりでなく、そこに込められた諸価値もまたもろく、それでも取扱方があるものなのではないでしょうか。こわれやすさは、その対極にある強さや頑丈さに比べマイナスの要素と見なされがちです。しかし、今日の様々な危機の底に強さへの盲信があるとするならば、それに向き合うための手がかりが、アートのフラジャイルな価値のなかには潜在しているはずです。本展がそれらへの気付きを増すきっかけとなれば幸いです。

展示構成/作家名

ひろがる
阿部典英、上野山清貢、国吉康雄、栗谷川健一、小柴外一、砂田友治、平野禎邦、本田明二、俣野第四郎、行武治美

ゆだねる
一原有徳、ジュアン・ミロ、スタンレイ・ウィリアム・ヘイター、難波田龍起、宮田彩加、李 禹煥

シンプルに
ヴィクトル・ヴァザルリ、ジョーゼフ・アルバース、杉山留美子、スタニスラフ・リベンスキー+ヤロスラヴァ・ブリフトヴァ、花田和治、ブリジット・ライリー、リチャード・アヌスキウィッツ

つながる
あべ弘士、石井 亨、国松 登、今 和次郎、ダナ・ザーメチニーコヴァ、中村木美、レオナール・フジタ(藤田嗣治)
北海道立北方民族博物館コレクション[イヌイットの壁掛け]:アニー・アクルクユク・キラブク、エヴァ・ヤーカ、H・マノンク、アイリーン・アヴァーラーキアク・ティクターラーク、マーサ・アプサク、マーサ・ヒクニク、マーサ・コグヴィク、マーサ・ティッキク、マーサ・ティクタク・アナウタリク、メアリー・K・オクヘーナ、メイ・ケナリク、M・キルラーク、ナンシー・プギングルナク・アウパウルクトゥク、オリーヴ・ママク・インナカトシク、パウリナ・ウルルクシク・コリト、カルリクサク、R・ヴォスアク+B・ロデ、ヴェラ・アヴァーラ、ヴィクトリア・カユルユク、他に作者不詳作品あり

主催

札幌国際芸術祭実行委員会、札幌市、北海道立近代美術館

観覧料

区分 パスポート(前売) パスポート 個別鑑賞券
一般 2,500円 2,700円 1,500円
市民・道民 1,800円 2,000円 1,500円
学生 1,000円 1,200円 800円
中学生以下 無料 無料 無料

パスポート:SIAF2024の3つの有料会場(未来劇場、当館、札幌芸術の森美術館)に繰り返し入場可
個別鑑賞券:ひとつの有料会場に1回のみ入場可

詳しくはSIAF2024 ウェブサイトをご覧ください。

関連事業

SIAF2024オープニング・ディレクター キャラバン

オープンした札幌国際芸術祭の各会場を、札幌国際芸術祭2024ディレクターの小川秀明氏が巡ります。実際オープンした会場を観ながら、企画を担当した方と話をしたり、札幌滞在中のアーティストと会話をしたりします。当館への来場時刻は12時30分ごろを予定しています。

日時:2024年1月20日(土)12時30分ごろから
会場:当館展示室B(要観覧券)
参加方法:直接会場にお越しください。

詳細は札幌国際芸術祭公式ウェブサイトをご覧ください。

学芸員と巡る深掘りガイドツアー

担当学芸員が展示作品について深掘りして解説します。

日時:2024年1月27日(土)、2月3日(土)、2月10日(土) 各日13:00〜13:50
講師:当館学芸員
会場:当館展示室B(要観覧券)
参加方法:直接会場にお越しください。

ワークショップ「あべ弘士さんと作る!北極の動物モビール」

SIAF2024参加アーティストの一人である絵本作家のあべ弘士さんを講師に招き、小学生対象のワークショップを行います。

あべさんが北極で観察した動物についてのトーク、著書『ふたごのしろくま』シリーズの読み聞かせを通じて北極の動物の知識を深めた後、講師の指導のもと北極の動物を描き、毛糸でつなげてゆらゆらゆれるモビールをつくります。

日時: 2024年1月28日(日)午前の部/11:00~13:00(受付10:30〜) 午後の部/14:00~16:00(受付13:30〜)
講師:あべ弘士氏(絵本作家・SIAF2024参加アーティスト)
会場:北海道立近代美術館2階造形室
対象:小学生
定員:各部10名(保護者は1名まで付添可)
参加費:無料
参加方法:メールによる事前申し込み制。下記の要領でお申し込みください。申し込み者多数の場合は抽選となります。

〈申込方法〉
受付期間:1月6日(土)~19日(金) ※受信後、数日以内に受付完了メールを送信します。
抽選結果通知:1月20日(土) ※メールにて全員に結果を通知します。
メール記載事項:氏名(ふりがな)/年齢/住所/電話番号/希望の時間帯(午前か午後のどちらか)/保護者付き添いの有無
メール宛先:kinbi.gakugei1@pref.hokkaido.lg.jp 北海道立近代美術館 ワークショップ係

FRAGILE・AINU ART 連携トーク「あっちもこっちも面白い」


当館で同時期に開催する2つの展覧会をお楽しみいただくため、それぞれの担当学芸員がその見所をお話しするトークイベントです。

展示室A:札幌国際芸術祭2024:1924-2024 FRAGILE[こわれもの注意]
展示室B:AINU ART―モレウのうた

日時:2024年2月17日(土)13:00〜14:00
講師:当館学芸員
会場:当館1階ホール(聴講無料)
参加方法:直接会場にお越しください。

作品紹介