北海道立近代美術館

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【近美コレクション】シャガール・イン・プリント/戦時下の北海道美術

マルク・シャガール『死せる魂』より 《ゴーゴリとシャガール》1925 年 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022, Chagall® G2792

シャガール・イン・プリント/戦時下の北海道美術
2023.02.11(土) - 2023.04.09(日)

概要

シャガール・イン・プリント

 愛の喜びを高らかに歌い上げ、20世紀美術の「詩人」と呼ばれたマルク・シャガール(1887~1985)。彼は油彩画の他にも、舞台装飾、壁画、陶芸、ステンドグラス等、いくつもの分野で創造力を発揮しました。特に版画は、30歳代半ばから最晩年まで60年以上にわたって手がけ、膨大な数を残しました。モチーフや表現内容の多彩さにおいて版画は油彩画に並ぶほどであり、イディッシュ(東欧ユダヤ)・ロシア・フランスという3つの文化のなかで形成されたシャガール芸術の多面性を、余すところなく伝えています。一方で、シャガールは版画において油彩画以上に軽やかさ、繊細さ、即興性を発揮しており、また、版画工房とのコラボレーションによる豊かな色彩など、版画というメディアの様々な特性を活かした表現を見せています。
 本展では、当館が所蔵する版画集『ダフニスとクロエ』『出エジプト記』『死せる魂』全162点を一堂に展示します。シャガールが描いた恋と苦難と魂の物語を、ぜひご覧ください。

戦時下の北海道美術 - 画家たちは戦地で何を見たのか-

 日中戦争の開戦(1937年)から太平洋戦争の終結(1945年)にいたる戦時下の時代。日本全体の世相が戦時色に染まりゆくなか、美術の世界もその例外ではありませんでした。北海道の美術家たちも同様に、故郷を懐かしむ兵士に向けて北海道の風景画を献納し、また郷土部隊の存在を記録・報道するために戦地へと赴いています。
 戦時下における全国各地の美術家たちの活動は、今日では多くの研究によって当時の状況が明らかになり、展覧会などで紹介されています。しかしながら、北海道における実態については、これまでほとんど研究や展示が行われてきませんでした。
 本展は、北海道における戦時下の美術活動を対象とした、初めての網羅的研究(『北海道立美術館・芸術館紀要第31号』掲載)の成果として企画されるものです。美術家たちが戦地で何を見、何を表現したのか、当館で所蔵するスケッチや展覧会出品作、献納画などを中心にご紹介します。

この1点を見てほしい。

5,800点以上の当館コレクションの中から1点を選び、多角的な研究を通して作品の奥深い魅力をご紹介します。

・伊藤隆介《こんなことは無かった》2012/2022年 

観覧料

一般 510(420)円、高大生 250(170)円

近美コレクションと三岸好太郎美術館(特別展を除く)を両方観覧する場合

一般 830(670)円、高大生 410(270)円

※( )内は、10名以上の団体料金。
※無料になる方/65歳以上、中学生以下、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(ミライロID利用可)及びその介護者(1名)など。
※高校生は毎週土曜日および学校の教育活動で利用する場合は無料。

関連事業

伊藤隆介 アーティスト・トーク

日時:2023年3月4日(土)14時~15時(開場は13時30分)
会場:当館講堂(聴講無料)
定員:当日先着200名

ミュージアム・トーク

学芸員が「シャガール・イン・プリント」や「戦時下の北海道美術」の出品作品について詳しくお話しします。

日時:2月19日「戦時下の北海道美術」
       (学芸員 田中駿一朗)
   2月26日「シャガール・イン・プリントー美しき挿絵本の世界」
       (学芸員 大石智子)
   3月5日「シャガールと『死せる魂』を読みましょう。」
       (学芸副館長 中村聖司)
   3月12日「第二次世界大戦前後の田辺三重松の制作をめぐって」
       (学芸員 星野靖隆)
   3月19日「伊藤隆介の「Realistic Virtuality」について」
       (上席専門員 久米淳之)
   3月26日「走る男―大月源二の世界」
       (リサーチ推進課長 大下智一)

   (各日曜日)
時間:各日14時~(約30分)
会場:当館展示室A(要観覧券)

ギャラリー・ツアー

講師:当館ボランティア
日時:会期中の火~土曜日(祝日は除く)
   1階 11時30分~、13時~
   2階 14時~(各回約30分)
会場:当館展示室A(要観覧券)

作品紹介

展示作品の一部をご紹介します。クリックで拡大します。