2025/09/22[月]
本日は休館日

Exhibition 展覧会

《オーケストラ》1933(昭和8)年 北海道立近代美術館蔵 ⓒMIGISHI

特別展 特別展 線が、息づく。 好太郎の線、鈴木ヒラクのドローイング Living Lines: Painter Migishi Kotaro meets Artist Suzuki Hiraku   札幌生まれの三岸好太郎(1903-1934)は、同時代の新しい潮流に敏感に反応しながら、前衛的表現に意欲的に挑戦した画家です。なかでも、柔らかい絵具の上からひっかくようにして線をあらわし、交響曲の演奏風景を表現した《オーケストラ》には、線描家としての好太郎の資質が最も洗練された姿で表出されています。
  鈴木ヒラク(1978年生)は、未知のかたちと出会い続けようとする現代のアーティストです。身近な環境の中で発見した解読できない記号のようなかたちを媒介として、光を反射するマーカーやスプレーによる即興性の高いドローイングを実践します。それは、世界にひそやかに存在する未知の「なにか」に、自らの身体を介してアプローチし、掘り起こそうとする行為だといえます。北海道余市町のフゴッペ洞窟や小樽市の手宮洞窟は、鈴木ヒラクに重要なインスピレーションを与える場です。
  本展では、鈴木ヒラクがゴッペ洞窟に足を運んだ後、1920‐30年代に描かれた三岸好太郎の絵画を展示する空間において、2日間をかけて新たにドローイングを行ないます。フゴッペ洞窟の壁画の写真や、鈴木ヒラクがフィールドワークした同壁画をふくむ世界各地の洞窟壁画のスケッチも紹介するとともに、地域の高校生とドローイング制作の場を共有するワークショップも行います。
 画家・三岸好太郎。アーティスト・鈴木ヒラク。先史時代の洞窟壁画。本展は、時代も地域も異なる三者の芸術を接続するものとして、「線」という表現に焦点を当てます。近代絵画、現代アート、先史遺跡のあいだを通いあう、みずみずしい「線」の息吹を感じていただければ幸いです。


 
会期 2025.09.06(土) - 2025.11.24(月)

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Collection コレクション

夭折のモダニスト・三岸好太郎。
大正から昭和初期―近代日本洋画の青春期を駆け抜けたひとりの画家。その繊細な詩情に満ちた作品は、今も新鮮な感動をあたえてくれます。
三岸好太郎の画業の顕彰にふさわしい優れた作品を収集し、その芸術を通覧できるコレクションの充実に努めます。

Selection

Information ご利用案内

北海道立三岸好太郎美術館は、大正から昭和初期の日本近代洋画史に鮮やかな光彩を放った札幌出身の画家・三岸好太郎の画業を顕彰し、作品その他関係資料の収集と保存、展示、および調査・研究、普及活動を行なう特色ある美術館です。