2025/12/13[土]
本日は開館日 9:30 − 17:00

Exhibition 展覧会

《筆彩素描集『蝶と貝殻』より 表紙》1934(昭和9)年

コレクション・ギャラリー 第4期所蔵品展「ふたりの『悪童』-美術史家・外山卯三郎と好太郎」   札幌に生まれ、幻想的イメージの世界を切り開いた画家・三岸好太郎(1903-1934)。その画業は、新しい表現への果敢な挑戦の連続でもありました。その挑戦に示唆を与えたと考えられる存在のひとりが、美術史家・外山卯三郎(1903‐1980)です。外山は、北海道帝国大学(現・北海道大学)予科に学び、ダダイズム的絵画を発表したり詩と創作版画の雑誌『さとぽろ』創刊に携わるなど、札幌画壇に忘れられない足跡を記しました。
 ふたりは、東京で、独立美術協会の創立会員と、同協会を支援する美術史家として出会います。『詩と詩論』に拠る詩人であると同時に、同時代のヨーロッパの画家から日本近世の円山応挙まで、幅広く視野に収める卯三郎。好太郎は、外山邸を訪ねては書斎の蔵書を読みふけったと伝えられています。
 「悪童」とは、好太郎が自らの小学生時代を振り返って自筆年譜に記した言葉です。過去のスタイルにこだわらずに作風を変えていく好太郎の姿は、他の画家からは「悪童」に見えたかもしれません。また、札幌に20世紀前衛美術の旋風を巻き起こした卯三郎もまた、北海道帝大の教授陣には手の焼ける「悪童」であったかもしれません。「新しいものに挑戦する」というスピリットにおいて、ふたりは共感しあえる存在だったのではないでしょうか。
 好太郎の代表作《筆彩素描集『蝶と貝殻』》には、外山が序文を寄せており、ふたりの親密な交友がうかがえます。好太郎と美術史家・外山卯三郎との交友を跡付けながら、代表作「蝶と貝殻」の連作へと至る画業の軌跡を、ご覧いただきます。
会期 2025.12.06(土) - 2026.03.26(木)

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Collection コレクション

夭折のモダニスト・三岸好太郎。
大正から昭和初期―近代日本洋画の青春期を駆け抜けたひとりの画家。その繊細な詩情に満ちた作品は、今も新鮮な感動をあたえてくれます。
三岸好太郎の画業の顕彰にふさわしい優れた作品を収集し、その芸術を通覧できるコレクションの充実に努めます。

Selection

Information ご利用案内

北海道立三岸好太郎美術館は、大正から昭和初期の日本近代洋画史に鮮やかな光彩を放った札幌出身の画家・三岸好太郎の画業を顕彰し、作品その他関係資料の収集と保存、展示、および調査・研究、普及活動を行なう特色ある美術館です。