北海道立近代美術館

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道南の精鋭シリーズ2

第2回 小池貴之展

小池貴之《函館山》2024(令和6)年 作者蔵

常設展示室で開催

道南ゆかりの美術家を紹介するシリーズ展。その第2回目にあたる本展では、恵山町(現・函館市)出身で、ゼラチンシルバープリントや鶏卵紙プリントといった古典的な写真技法を用いて作品を制作するフォトグラファー・小池貴之を、彼がガラス湿板により撮影した函館の街や人々の写真とともに紹介します。
会期 2025.07.12(土) - 2025.09.07(日)

観覧料

一般 260(210)円、高大生 150(110)円
※( )内は10名以上の団体料金。

無料になる方

  • 65歳以上の方
  • 小中学生及びその引率者
  • 「毎週土曜日」に利用する高校生
  • 「道みんの日(7/17)」に利用される方

作家プロフィール

小池 貴之 | Kino Koike

1980年、北海道函館市(旧恵山町)生まれ。
1999年、函館ラ・サール高等学校卒業、2005年、立命館大学大学院理工学研究科修了。
東京、京都、函館を拠点に主に写真を用いた制作と発表を行う。
写真メディアが持つ物理的記録の機能に注目し、土地や人間の歴史、記憶を物質として表す制作をしている。
多くのプロジェクトは、ゼラチンシルバー、鶏卵紙、湿板写真等のアナログ技法を用いている。
近年の代表作として「IOMOnーシベリア鉄道」(ゼラチンシルバープリント)、「浜さ」(鶏卵紙)、「光と気配」(湿板写真・アンブロタイプ)がある。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 KG+SELECT ファイナリスト(2023年)。

Web https://kinokoike.jp/
Instagram/X @51foto 

湿板写真とは

土方歳三や坂本龍馬が撮影された技法として知られる湿板写真は、1851年にイギリスのフレデリック・スコット・アーチャーによって発明された。
ガラス板に薬液を塗り、湿った状態で撮影、即座に現像・定着して像を得る。感度は低く、撮影に数秒から数分の露光時間を要する。そのため、被写体は動かず静止する必要がある。
ガラス板上の銀像は、透かして見るとネガティブ像だが、黒い布を背景にすることでポジティブ像として鑑賞できる。この方法は「アンブロタイプ」と呼ばれ、幕末から明治にかけて広く用いられた。
日本には幕末期に湿板写真が伝来した。函館では、1859年の開港以降、初代箱館駐在ロシア領事ゴシケーヴィチやロシア人医師ザレスキーが、横山松三郎や木津孝吉、田本研造に技術を伝授したとされる。
1860年代初頭から田本研造らはこの技法を用い函館の街並みや人物を撮影し、地域の歴史を記録した。