北海道立三岸好太郎美術館

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第4期所蔵品展「『匂ふやうな灰色』―好太郎・乳白色の世界へ」

《オーケストラ》1933(昭和8)年

 札幌生まれの画家・三岸好太郎(1903-1934)は約10年余りの短い画業の中で、時代の新しい潮流に敏感に呼応しながら、目まぐるしく作風を変化させました。しかし色彩に注目して画業を概観するとき、地道な探求の軌跡が浮かび上がってきます。
 画業初期には、赤系の色彩と緑系の色彩を並置し、明暗の対比により画面を構成。やがて異なる色彩を重層させ、下にある色彩と上から重ねた色彩が響きあうような、色彩の効果を追及していきます。このようにして生みだされる乳白色を、好太郎の妻で画家の三岸節子は「匂ふやうな灰色」と表現しました。この乳白色は、風景画のみならず、ひっかき技法による表現の地や、幾何学的構成を支える地ともなり、画業後半を特色づける重要な色彩となっています。
 激しい振幅を見せる画業の展開の中で、地道に積み重ねられ、深化していった好太郎の色彩の世界。この機会にどうぞご覧ください。




 
会期 2024.12.14(土) - 2025.04.18(金)

観覧料

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観覧料:一般510(420)円、高大生250(170)円、中学生以下、65歳以上無料

*( )内は10名以上の団体料金

*高校生は毎週土曜日、学校の教育活動による観覧は無料

*身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(ミライロID利用可)およびその介護者(1名)などは無料 

 

 

併催 アートギャラリー北海道 #みまのめ〈VOL.10〉(展示室4~7)

札幌に生まれた三岸好太郎(1903-34)は、31歳で急逝するまでエネルギッシュな創作活動を展開した日本近代洋画史上に残る画家の一人です。その三岸芸術を紹介する当館では、2018年度より、北海道ゆかりの優れた若い作家を紹介するシリーズ企画「mima-no-me #みまのめ」をスタートしました。

10回目となる今回は、10代から30代の作家4名を紹介します。生まれ育った土地と自身の関係をテーマに、フィールドワークで生じた体験や記憶をインスタレーションとして展開する秋元さなえ。自らの身体が風景に溶け込んでいくような感覚的イメージを大画面に瑞々しく描きだす川村正寿。多色摺木版と発泡インクを用いたシルクスクリーンにより、既視感のある日常の情景を独自の感性で紡ぎだす佐藤寧音。生き物たちの幻想的な世界を、精緻な描写と濃密な色彩で表現する清水芹春。いずれの作家も独自の表現を探求しながら、活躍の場を広げています。本展を通じ、若き芸術家の清新な作品をご覧いただければ幸いです。

なお本展は、道内の美術館がネットワークでつながり、若い作家たちへ活動の場を提供することなどにより、北海道全体がアートの舞台となることを目指す「アートギャラリー北海道」事業の一環として開催するものです。

過去9回のリーフレットを公開します。「#みまのめ VOL.10」チラシ下をご覧ください。

 

アーティスト・トーク Artist Talk

1月11日(土)11時~ 秋元さなえ氏

1月25日(土)11時~ 川村正寿氏

2月15日(土)11時~ 清水芹春氏

2月22日(土)11時~ 佐藤寧音氏

各回約30分

会場:当館展示室2F(要観覧券)

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