北海道立三岸好太郎美術館

Exhibition

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三岸好太郎生誕120年・美術館新館開館40年

三岸好太郎再発見!

(同時開催「もっと知りたい三岸アトリエ」)

チラシ

 札幌生まれの三岸好太郎(1903-1934)は、画家となることを目指して、18歳の年に上京。美術界の新しい動向を貪欲に摂取し、目まぐるしく作風を変遷させながら、画家として頭角を現しました。
 31歳の若さで夭折し、その画業は10年ほどの短いものでしたが、近代感覚にあふれた清新なイメージの世界を切り開き、日本の近代洋画史に忘れることのできない足跡を残しました。
 今年は、三岸好太郎生誕120年、そして新館開館40年の節目に当たります。日本の1920年代から30年代にかけての先鋭的画家のひとりとして位置づけられる三岸好太郎。本展は、その画業と作品をこの機会に見つめ直し、その芸術の特質を丁寧に振り返ろうとするものです。
 「庭」「線」「対角線と水平線」「グレー/ホワイト」「影」など、三岸の造形世界を支える特色ある要素に注目し、その魅力の源泉へとさかのぼります。時を経てますますみずみずしい輝きを放つその絵画の魅力に、あらためてふれていただく機会となれば幸いです。



 
 
会期 2023.10.07(土) - 2023.12.05(火)

観覧料

観覧料 一般700(600)円 高大生400(300)円 小中生300(200)円
*( )内は前売および10名以上の団体料金。
*リピーター割引等あり(詳細はお問い合わせください)。

 

同時開催 もっと知りたい三岸アトリエ

 東京都中野区鷺宮に位置する「三岸アトリエ」。三岸好太郎が構想し、バウハウスに学んだ建築家・山脇巌が設計し、1934(昭和9)年10月に竣工した、国内最古の木造モダニズム建築です。三岸はこの年7月に旅先の名古屋で急逝しており、アトリエの完成を見ることはかないませんでした。しかし同年11月、節子夫人は「故三岸好太郎作品遺作展覧会」をこのアトリエで開催。この展覧会に訪れた人々は、三岸の絵画が飾られたアトリエの空間そのものから、三岸の芸術世界を体感したことでしょう。

 節子夫人は、この建築をアトリエ兼住居とし、家族とともに30年ほど暮らしました。1958(昭和33)年に改築され、現在は、三岸好太郎・節子の孫の山本愛子氏とひ孫で「アトリエM」代表の山本潤氏が保存・管理を担っています。2014(平成26)年には、「施主の感性とバウハウスで学んだ設計者の理念が具現化された、都内でも希少な戦前の木造モダニズム建築」として、国の登録有形文化財となっています。

 昨年開催した「アトリエへようこそ」展は、当館で初めて三岸アトリエを紹介するものでした。それに続く本展では、三岸アトリエの三つの個性的な造形要素である「赤い扉」「青い窓枠」「スパイラルの階段」に焦点を当ててご紹介します。三岸好太郎の代表作とともに、写真パネルや映像で三岸アトリエの建築空間をご覧いただき、空間としての魅力と、そこに反映された三岸の芸術的感性の粋を、感じていただければ幸いです。