第1展示室
砂澤ビッキの生きた時代
The Time SUNAZAWA Bikky Lived In
旭川出身の砂澤ビッキ(1931~1989)は、ダイナミックな木彫の大作から繊細な文様を彫り込んだ工芸的作品、即興的に描かれたドローイングまで、多彩な創作活動を展開しました。
ビッキは制作の合間に、書斎に籠もっては読書をしていました。彼の蔵書は、交友のあった澁澤龍彦の著書をはじめ、シュルレアリスムなどの美術、世界各地の民族芸術、人間と自然との共生を描いたものなど多岐にわたります。それらの中にはビッキの作品のテーマやモチーフに通じるものもあり、彼が生きた20世紀の美術や文学の動向をうかがい知ることができます。
本展は、音威子府村の所蔵品を中心に、初期から晩年までの砂澤ビッキ作品を紹介します。さらに彼の作品と関連する書籍をあわせて展示し、その特異な世界観を読み解いてゆきます。
また当館ロビーにて、かつて旭川工業高等専門学校の中庭に設置されていた大作《芽》を公開します。ビッキが「風雪という名の鑿」と呼んでいた、自然の作用が刻んだ痕跡を間近でご覧ください。
会期 2025.12.13(土) - 2026.03.15(日)