北海道立旭川美術館

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第1展示室

魂の風景

山口正城と難波田龍起

YAMAGUCHI Masaki and NAMBATA Tatsuoki

山口正城(1903~1959)と難波田龍起(1905~1997)は、いずれも旭川に生まれ、戦後日本で抽象を手がけて独自の表現を追求した画家です。
工業デザイナーでもあった山口は、製図に用いる烏口(からすぐち)や紙製のヘラを使って、シャープな線描や絵の具のにじみを生かした絵画を生み、自由美術家協会展などで発表しました。また、生涯にわたり日本のデザイン教育に力を尽くし、優れた教育者としても知られます。
難波田は、作風を変化させながらも一貫して自己の内面と向き合い、詩情豊かな抽象表現を切り拓いた画家です。自由美術家協会や北象会に参加し同時代の画家たちと交流を深めながら、絵画や詩作を通して抽象について思索を重ねました。
二人はいずれも交錯する線や画面に広がる色面のなかに、深い精神性をたたえた絵画世界を構築しています。それは、難波田の言葉を借りれば、「魂の風景」とも言い換えられるでしょう。
本展は、生誕120年を経ていまなお精彩を放つ二人の画家に焦点を当てます。山口と難波田がどのように抽象表現を展開していったのか、当館所蔵品や関連作家の作品、関連資料から探ります。また、近年新たに収蔵された難波田の版画・素描作品29点もこのたびお披露目いたします。
 

会期 2025.06.28(土) - 2025.08.24(日)

高橋北修《丘の上の街》1974年 当館蔵

第2展示室

道内公募展と「道北の美術」コレクション

Hokkaido's Open Call Exhibitions and Our Colleciton of "Art of Northern Hokkaido"

 明治末期から大正にかけて、北海道では主要都市を中心に小規模の美術団体が組織され、各々が勉強会や展覧会を開催していました。旭川では、高橋北修と関兵衛によって1918(大正7)年に同地最初の美術団体・ヌタックカムシュッペ画会が結成され、東京で活動していた旭川ゆかりの画家・上野山清貢を交えた展覧会を開催するなど、意欲的に活動していました。そのような中、1925(大正14)年に全道規模では初の公募展となる北海道美術協会(通称:道展)が創立され、各地に点在していた美術団体ひいては作家たちの間に交流をもたらしました。
 1945(昭和20)年に道展に加えて全道美術協会(通称:全道展)が創立され、戦後の北海道美術界は2つの公募展の並立で幕を開けました。一方、旭川においても1946(昭和21)年に北海道アンデパンダン展、新浪漫派美術協会(現・新ロマン派美術協会)、純生美術会の3つの美術団体が結成され、旭川の美術活動の基盤として地域に美術の裾野を広げ、絵画技法や文化意識の向上といった役割を果たしてきました。
 2025(令和7)年、純生美術会と新ロマン派美術協会はともに80回展を数えます。また、道展や全道展も節目の年を迎えることから、道内と旭川の公募展に関わった作家の作品を、当館の「道北の美術」コレクションから紹介します。

会期 2025.06.28(土) - 2025.08.24(日)

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